食品添加物の対処法
私たちが1日のうちに食べる食品添加物は、1日10gにのぼるとも言われます。
日持ちをよくする
見た目や味
現在、私たちが口にしている食品のほとんど、調味料・嗜好飲料、穀類、芋・豆類、油脂・乳類、砂糖・菓子類、果実・野菜類、そして加工食品には、おびただしい種類の添加物が使われています。おいしくしたり、日持ちををよくたり、見た目をきれいにすることなどが目的です。
保存料、着色料、着香料など
添加物には様々なものがあり、その数は約350種にのぼります。保存料、着色料、着香料、防かび剤、酸化防止剤、殺菌剤、漂白剤、小麦粉処理剤、糊料、防虫剤、発色剤、色調安定剤、調味料、酸味料、甘味料、乳化剤、消ほう剤、保水剤、溶剤、膨張剤、チューインガム基礎剤、被膜剤、強化剤などなど。
科学的な裏づけが希薄なものも
中には、長年日本人の食生活に使用されていたなどの理由で、安全性について科学的な裏づけが希薄なものも多いといいます。
厚生労働省が認可
食品添加物は、使用することによって何らかの利点を食品に与えること、と同時に人体に対する安全が実証される確認が取れているものに限り、厚生労働省によって認可されています。
違反で商品回収
それでも大手の食品メーカーに違反があり、大新聞にお詫びと訂正記事が次々と掲載され、商品が回収されることがあります。
人体への蓄積
もうひとつ気になるのは、それらの食品添加物が人体に蓄積される量です。
1日の合計量が10g
1980年代まで発表されていた「日本人の食品添加物 一日摂取量実態調査」(厚生省生活衛生局食品化学課監修)によると、すでに1日の合計量が10gを超えていました。
コンビニやファミレス激増
その後、ファミリーレストランやコンビニ、デパ地下などのテイクアウト食品の激増により、現代人はどれほどの食品添加物を口にし、体内に蓄積しているのか、想像するのも恐ろしいほどです。
添加物の見分け方
自分が何を食べているのかを確かめるためには。添加物を見分けること、物質名や用途を知ることが大事なのですが、私たち消費者には複雑でわかりにくい表示しかされていません。大まかな見分け方を覚えましょう。
表記は使用量の多い順に表記されています
まず、添加物の多くは、表示ラベルの原材料名の中に混在して明記されています。
原材料は、入っている量の多い順に書くのがルールですから、前の方にあるものはたくさん使われていると思って間違いありません。これが添加物を見分ける第一のポイントです。
別名や省略名が使われる場合も
そして、添加物の表示は物質名を書くのが原則ですから、カタカナの物質名やアルファベットの化学記号があるかどうかをチェックしましょう。しかし、現実には表示スペースの制約から、別名や省略名が使われるなど、同じ着色料にしても書き方が複数あるので、もっとわかりやすい表記に改善されることを願っています。
物質名が非表示の場合も
8種類が表示を義務付け
食品衛生法
第二のポイントは「使用目的」のチェックですが、食品衛生法では用途と物質名の併記が義務づけられているのは八種類だけです。
「甘味料=ステビア、甘草」「酸化防止剤=ビタミンE」という要領で、以下「着色料」「糊料」「保存料」「発色剤」「漂白剤」「防かび剤」となります。
用途だけの表記も
乳化剤、苦味料、調味料、膨張剤、pH調整剤
一方、それ以外「乳化剤」「苦味料」「調味料」「膨張剤(ベーキングパウダー)」「pH調整剤」などは、微量に多種の物質を混ぜ合わせることが多いため、物理的に表示しきれないという理由で、消費者には用途名しか知らされません。
以前多発した香料への無認可添加物の使用も、表示からは含まれている物質名がわからない仕組みだったため起こった事件でした。
見分ける習慣をつけよう
このように、とてもわかりにくい表示ではありますが、少なくとも、自分が口にする食品に何の添加物が入っているのかを見分ける習慣はつけたいものです。
食品添加物の表示例
比較的よく目にする添加物の簡略表示例です。
V・C
ビタミンCのこと。物質名はL-アスコルビン酸ナトリウム。
チアミン
ビタミンB1のこと。VB1も同じ。シルベゾイルチアミンやチアミン塩酸塩などをまとめてこのように表記。
ソルビン酸(K)
保存料のソルビン酸とソルビン酸カリウムが入っているときの表記。()パーレンのないKの場合はソルビン酸カリウムだけ。
BHT
酸化防止剤ジブチルヒドロキシトルエンの簡略表記。
赤3
着色料の食用赤色3号のこと。
イーストフード
パンなどに使うイーストの栄養源になる物質、塩化アンモニウムやリン酸二水素アンモニウムなどをまとめてこう呼ぶ。
調味料(アミノ酸等)
アミノ酸を主体にコハク酸、イノシン酸など複数使っている場合の表示。
毒は水で流しましょう
最も大事な「水分補給」
食品添加物から逃れることはできないのですから、体内に取り入れてしまった添加物を少しでも薄める手だてを考えましょう。もっとも効果的なのが水分補給です。
本当の水
食事のときの水分補給というと、何を連想しますか?
食中酒のワイン、日本酒から、日本茶や中国茶まで、味のついたたくさんの水分がありますが、この場合には本当の水を飲むことが大事です。
砂糖入りの清涼飲料水はNG
特に気をつけなければいけないのは、砂糖入りの清涼飲料水。大量に飲むと血糖値が急上昇し、血液が濃くなって喉が渇きます。だからまた飲むという繰り返しで、こんな状態をくり返すと糖尿病の要因になります。
糖尿病
昨今糖尿病の若年化が進んでいるのも、清涼飲料水の飲み過ぎが大きな原因だといわれています。
味がついていると腎臓の負担が増える
たとえ糖分ゼロのノンカロリー飲料であっても、味がついた飲み物は体内で分解されてから吸収され、体外に排出されるので、その分、腎臓の負担が増えます。水分のみ取っていれば尿になるだけなのですが……。
真水の甘味
日本には「甘露」という素敵な表現がありますが、本来、真水のほのかな甘みのことです。おいしくて刺激的な食品に馴れてしまった私たちの舌は、真水の甘みを忘れてしまったのでしょうか。
唾液も大事
よく噛んで食べよう
水分ともうひとつ、口の中で作られる唾液中の消化酵素も、毒を分解してくれます。よく噛んで食べようというのは、体に悪い食品を薄めるための防御でもあるのです。